2015年2月27日金曜日

Matmata☆マトマタ


チュニジアの南部にあるマトマタとその周辺にはとっても面白い住居形態をもつベルベル人が住んでいます。このチュニジアの先住民族ベルベルは、12〜13世紀頃、この地にやって来たアラブ・イスラムの過激なベドウィン、ベニー・スライム、ベニー・ヒラールの一味に追われて山岳地帯へ居住地を移し、平穏な時代が来ると水や農耕地を求めてこの地マトマタへやって来て集落をつくったそう。
写真はマトマタからメドニンへ向かう道の景色。岩山のパノラマがとても素晴らしいです。
マトマタ一帯の地面にはまるで月面のクレーターのような大きな穴が開いていて穴の側面に避難用の横穴が掘られています。最初、この穴は敵の目をごまかすためや身を隠すために造られたそうですが、時が経つにつれ家になったそう。
写真は穴居型住宅の入り口。
内部はこんな感じ。
この住居は外敵から身を隠すとともに、この土地の風土にあった造りなんだそう。
石灰岩の地に掘られたこの住居は夏の強い日差しから逃れ、涼しく、冬は保温性に優れて暖かいそう。
住宅は縦穴の窪地を中庭にして、底に面して横穴が掘られ、寝室、台所など各部屋が造られています。多くは2階建てになっていて、1階は住居に、2階は倉庫として使われることが多いようです。


 小麦を挽くための石臼☆
 羊ちゃんたちの部屋もあります。
このように穴が掘られて住居が造られています。


ドアの上には魔除けや幸運を呼ぶといわれるファトマの手と魚のシンボルが青で書かれています。そもそもはフェニキア人が魔除けとして使い始めたという説があるそうですが、マグレブ地方のイスラム化が進むとイスラム予言者ムハンマドの娘ファトマと5本の指をイスラム5行(信仰告白、礼拝、喜捨、断食、巡礼)の象徴を絡ませてファトマの手と呼ばれているそう。その手の横に描かれる魚も海の商人、フェニキア人の間ではシンボル的に使われていて、それがファトマの手とともに魔除けのシンボルとして受け継がれてきたそうな。


穴居住宅を利用したホテルやレストランもあるので是非南部へ足をのばしてマトマタにも訪れてみてくださいね。
旧マトマタ周辺ではこのように住居を観光客に公開している家もあるのでチップを払って見せてもらうのがおすすめです。

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