写真はシディブサイドにあるエネジュマ・エッザハラというアラブ地中海音楽博物館の入り口です。
ここでしばしばいろんなジャンルのコンサートが行われますが、通常は博物館になっています。
ここはフランスの男爵ルドルフ・エルランジェが彼自身でデザインして1912〜1922に一流の職人によって建てられた豪邸です。彼自身もアーティストであり、多くの彼の作品の絵画が展示されていて、音楽を愛した彼のコレクションの楽器も沢山展示してあって本当に素敵なところで、大好きな博物館です☆
ショパンが愛用していたプレイエルのアンティーク・ピアノもあります。
ここのお庭からの眺めも素晴らしく、夜のコンサートももちろん素敵ですが昼間に訪れてここから地中海を眺めるのも最高です。
建物もアンティークで、必見の価値ありですよ。
ここで行われたチュニジア音楽"マルーフ"のコンサートも素晴らしかったです。
ここ地中海沿岸にあるチュニジアは、太古の昔から多くの民族が興亡を繰り返し、入り混じって来た歴史を持つ国なので、音楽的に見ても独特です。
大きく分けて、シャルキー派とマルーフ派の流れがあって、シャルキーはいわゆるオリエンタル音楽の流れ。
そしてマルーフはアンダルシア起源の北アフリカのいわゆるマグレブ諸国に共通するアラブ・アンダルース音楽なんです。
昔スペイン南部のアンダルシア地方にはアラブ人の王国があり、そこでは宮廷音楽が盛んだったそうで、主に宮廷風の恋歌とか神への賛歌などが歌われていたそうな。
ところが、15世紀に王国は滅亡。アラブ人やユダヤ人はキリスト教徒によりスペインを追放され、彼らは北アフリカ(モロッコ・アルジェリア・チュニジア等)に移住し、この地で新たにその音楽を発展させていったんです。これをアラブ・アンダルース音楽と呼びます。
古典音楽に用いられる楽器には弦楽器のウード、笛のナイ、チター属の弦楽器カーヌーン、パーカッションのレク、そしてヴァイオリンなどがあります。
ウードはリュートの原型でもある楽器で、チュニジアには前世紀まで独特のチュニジアン・ウードが用いられていましたが、しだいにオリエンタルのウードが主流になりました。
ウードの音色、本当に素敵ですよ。
ナイは斜めに構えて吹く葦製の笛です。カーヌーンは両人差し指にはめた爪で弾く日本の琴のような感じの楽器です。
ヴァイオリンはもともとアラブの楽器ラバーブから発展したとされていますが、前世紀以降、ラバーブに取って代わってよく用いられるようになったようです。
でも西洋音楽と違う調弦や奏法を持つので、独特の味わいがあります。
マルーフは落ち着いた感じの楽曲が多いので座って聴くスタイルが主ですが、
ファッションショーの1部と2部の間の演奏会や、カフェレストランなんかで演奏される時には、
踊りだす人も少なくないです。
私個人としては、シャルキーよりもマルーフが好きです。
独特の旋律に癒やされますよ☆
Centre des musiques arabes et méditerranéennes - Ennejma Ezzahra
8, rue du 2 mars 1934 - 2026 Sidi Bou Saïd
Tél. : (+216) 71 746 051
8, rue du 2 mars 1934 - 2026 Sidi Bou Saïd
Tél. : (+216) 71 746 051
月ー金 08:00-15:00
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